提言 「金メダルをみんなの集めた小型家電から」の提案を全国の力で実現しよう

提言

2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメダルを小型家電などのリサイクル材で作ろうという話が進んでいます。昨年の末、八戸、大舘、一関の三市が提言をしオリンピック組織委員会に申し入れ、エコマテリアルフォーラムはその実現可能性をレポートとしてまとめました。現段階では組織委員会のレガシープランにも「都市鉱山を利用したメダルの作成の検討」という言葉が盛り込まれるところまで来ています。 これが実現すると、みんなのリサイクル活動がオリンピックに結びついて「みんなで作るオリンピック」の一環を担えるとともに、リサイクルそのものにも弾みが付き、さらには世界的に先進的な日本のmottainaiリサイクルを世界に広める機会にもなります。 しかし、道は簡単ではありません。特に金メダルについては、リサイクルなら何でもよいということになるとお金持ちの宝飾から回収した金を鋳直しても作ることができ、そのほうが安くつくので単純に入札になると宝飾鋳直しに流れてしまいますし、場合によってはそのような金が寄付される可能性もあります。 もし、宝飾鋳直し金で金メダルを作ることになれば、「みんなが集めた小型家電」ゆえにアピールできるせっかくのコンセプトを生かすことができません。ここまできたら、ぜひ、「みんなが集めた小型家電で」を実現させるべきではないでしょうか。 そのためには、メダル作成の原材料調達の際に、調達条件として「小型家電リサイクル由来であること」という一言を入れさせることが必要です。そして、それを行わせるには広範な世論のバックアップが必要です。また、そのような声が上がっていく過程は、小型家電リサイクルひいては我が国の循環型社会形成にも大きな励みになります。そして、オリンピック・パラリンピックも単にアスリートの祭典を見て楽しむだけでなく、リサイクルを通じてその一部に参加していく楽しみももてます。 今、東北の三市が積極的に提案をしていますが、メダルに必要な金銀銅の量からすると全国の協力が必要です。全国の自治体からこの三市の提案に賛同し、小型家電リサイクルを積極的に進める意思表明が寄せられることが大きな力になります。リサイクル業や金銀銅の製錬や流通業からも賛同の声が上がり、メダルに向けてのリサイクルの流れが示されれば、より実現性が高くなります。そして何よりも市民からの声やとりくみが重要です。SNS等を通じた呼びかけ、先行した自主回収の取り組みなど、市民の動きが見えていくことで、「金メダルをみんなの集めた小型家電から!!」を実現させていきましょう。

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