第三弾 東北再興拠点に1万馬力メガシュレッダーを

リサイクルによる地域経済の復興・活性化、そして創生に向けた提言

 2011年3.11の大災害はかってない被害を与え、現在はその復興に向けて力いっぱいの努力が行われています。この復興は、単に以前への復旧ではなく、311の教訓も踏まえつつ、新たな創生への出発点を目指した取り組みになろうとしています。  
 このような中で、エコマテリアル・フォーラムは、3.11の教訓も踏まえつつ、新たな再生の拠点として東北地方に1万馬力のメガシュレッダーを設置し、それをもとにかつてない規模のリサイクル拠点の形成を目指すことを提案します。  

 もとより、東北地方は、以前からの金属製錬技術を活用したリサイクルが進んでおり、多くの再生材料を生み出していました。また、バイオマスの利用も進んでおり金属に限らず多面的なリサイクルの取り組みが可能な条件ができています。ここに、集約的に多様な使用済み製品や廃棄物を持ち込み、それらを素材レベルで分離可能な状態にまで一気に持ってこれるメガシュレッダーを設置し、そこから各種のリサイクルへと展開できるシステムを構築できれば、これまで個別に進めていたリサイクルの取り組みがより効率的に展開でき、かつ、従来の個別リサイクルでは狭間になっていた部分にも手が届く効果的展開が期待され、新たな産業活力を生み出すことになります。

 このメガシュレッダーが現在の瓦礫処理に対しても活用できることは言うまでもありません。さらに、我が国はこのような大災害を過去のものとするのではなく、それと面して生きていかねばならない運命にあり、もし、同じような災害が国内の他地域で起こった場合にも、迅速な瓦礫処理を行い、その処理を資源化へと結び付けることができるようになります。

 現在、日本には多くのシュレッダーがあり、鉄スクラップの処理を中心に活用されていますが、個々のリサイクル会社の収集能力に合わせて用いられており、今回の災害のような大量で混在した発生物の処理までは手が及びません。また、個々の収集能力によってシュレッダーの規模が限定されているということは、多くの難処理物質を残すことになりこれから大量の社会インフラ構造物が寿命を迎えリサイクルに回ってくる現状で、多くの資源を無駄にすることにもなります。

 メガシュレッダーは、単に金属などを裁断する設備だけではなく、そこで処理された素材レベルの破砕物を、磁選、風選などで連続的、効果的に分離できる一連のシステムを意味します。これにより、コンクリート、金属、木材などを含む混合廃棄物も処理しつつ、その中からレアメタル類の濃集したいわゆる都市鉱山や、バイオマスなどのエネルギー源も取り出すことが可能となります。

 今、世界では、911の瓦礫処理の経験を受けたアメリカはマンハッタン対岸や、イギリス、中国などにすでに1万馬力のメガシュレッダーが動いており、我が国はすでに遅れをとっています。20世紀の後半に急速に積み上げてきた社会インフラの構成物が大量に循環に回される時代を迎え、かつ、地震などの災害と直面して暮さねばならない我が国こそこのようなメガシュレッダーは必要とされています。
 そして、それを基軸としたリサイクル拠点を形成し、復興のみならず新たな循環型社会のフロンティアを東北地方から切り開いていくことを提言します。

添付資料