サーキュラーエコノミー標準化プラットフォーム設立について

岡部理事からの情報です。

サーキュラーエコノミー標準化プラットフォーム設立
地球環境への負荷低減のため、サーキュラーエコノミー(CE)の実現を目指して、国際的な取組が 加速してきており、法規制や自主行動計画など、幅広い活動・議論が様々な場で行われている。 特に、欧州においては、エコデザイン指令の対象を拡大し、デジタルプロダクトパスポート(DPP)、 消費財廃棄防止等の導入を定める新たな枠組みである「持続可能な製品のためのエコデザイン規則 (ESPR)」が 2024 年度 7 月から施行され、今後、対象分野ごとに順次 CE 規制が導入される予定であ る。

ESPR の実際の適用に当たっては、製品グループごとの委任法令で規制内容が示される予定であり、 適用基準は CEN/CENELEC(CEN/CLC)において欧州規格(EN)として策定されることが予想され る。

一方、ISO/IEC の場においても、ISO/TC323(循環経済)や IEC/TC111(電気・電子機器、システ ムの環境規格)などにおいて CE や関連するサプライチェーン等の国際標準化のアジェンダが設定さ れ、議論が開始されている。ISO/IEC で策定される国際規格は、WTO/TBT により、各国の規制での 活用が義務付けられることとなっており、世界統一的な運用の確保上きわめて重要である。

さらに、持続可能な企業活動への国際的な圧力は高まってきており、資金調達、ファイナンス、証券 取引等の金融の世界でも、CE 等の取り組みへの情報開示が求められるようになってきており、様々な ⺠間ルールが乱立しつつある。

CE は3R(リデュース、リユース、リサイクル)なども含む取組であり、サプライチェーンの上流 (材料・素材)、中流(部品製造、製品組み立て)、下流(消費、再利用、廃棄)までを見据えた取り組 みが必要である。

しかしながら、我が国においては、CE の標準化の議論は主に個別ごとの業界を中心に行われており、 業界連携については限られた範囲にとどまっている。また、CE の国際標準化の議論は ISO/TC323 の みならず各 TC でも個別に行われているが、各 TC の国内審議団体間の情報連携は希薄な状況にある。

さらに、欧州では欧州委員会の要請を受け、CEN/CLC の Joint Technical Committee が複数設置さ れて議論が進められようとしているが、我が国の個別の団体では当該 JTC には関与することができ ず、情報の入手、さらには日本の意見の反映ができないことが想定される。

したがって、国際標準化に対応している国内審議団体(主には、業界団体)、そのメンバー企業や 関連企業、学会等から構成される「サーキュラーエコノミー標準化プラットフォーム(Circular Economy Standardization Platform : CESP)」を設置し、各国の法規制の動向や国際標準、フォーラム 標準など分野横断的な情報共有、意見交換、対応方針の議論等を行うこととしたい。
一般社団法人産業環境管理協会, 一般財団法人日本規格協会

サーキュラーエコノミー標準化プラットフォーム設立趣意書