2025 年度公益社団法人日本金属学会関東支部講習会 『腐食・防食の基礎と最前線 』

岡部理事からの情報です。

2025 年度公益社団法人日本金属学会関東支部講習会

『腐食・防食の基礎と最前線 』

日 時:2025 年 11 月 7 日(金)、 14 日(金)、 21 日(金)、 28 日(金)、 12 月 12 日(金) 17:00-18:30

場 所:オンライン

主 催:公益社団法人日本金属学会 関東支部

協 賛:安全工学会(予定)、応用物理学会(予定)、金属系材料研究開発センター(予定)、軽金属 学会(予定) 、資源・素材学会(予定)、日本 MRS(予定)、日本機械学会(予定)、腐食防食学会 (予定)、日本計算工学会(予定)、日本建築学会関東支部(予定)、日本高圧力技術協会(予定)、 日本塑性加工学会(予定)、日本鋳造工学会(予定)、日本鉄鋼協会(予定)、日本熱処理技術協会 (予定)、日本複合材料学会(予定)、日本溶接協会(予定)、日本表面真空学会(予定)、日本分析 化学会(予定)、日本化学会(予定)、日本ばね学会(予定)

開催趣旨: 公益社団法人日本金属学会関東支部では、金属材料における腐食・防食をテーマとした講習会を 開催します。腐食という古典的でありながら極めて重要な現象に対し、平衡論・速度論といった基 礎理論から、水素環境・生体内・インフラなど多様な環境下での腐食メカニズムと防食技術、さらに データサイエンスを活用した新しい解析・予測手法に至るまで、第一線で活躍する研究者の方 々か らご講義いただきます。材料の長寿命化・高信頼性化に不可欠な腐食制御の知見を、多分野融合 の視点から体系的に学べる機会となっております。

 

【プログラム】

11 月 7 日(金) 水溶液腐食の基礎 - 腐食反応の熱力学

多田英司(東京科学大学)

11 月 14 日(金) 水溶液腐食の基礎 - 腐食反応の速度

多田英司(東京科学大学)

11 月 21 日(金) 金属材料の水素脆化と水素分析技術

春名 匠(関西大学)

11 月 28 日(金) 生体内環境での医療用金属材料の腐食

堤 祐介(物質・材料研究機構)

12 月 12 日(金) 機械学習と数値解析による構造材料の腐食挙動の理解

片山 英樹(物質・材料研究機構)

 

【講演概要】

水溶液腐食の基礎 - 腐食反応の熱力学

多田英司(東京科学大学)

金属の腐食反応は、金属が環境中の酸化剤により酸化される化学反応であり、自発反応である。 すなわち、金属の酸化反応で生じた電子を環境中の酸化剤が消費することで進行する。本講演で は、これら酸化・還元の電気化学反応からなる腐食反応について、腐食の電池モデルを利用して、 腐食反応の駆動力となるギブズの自由エネルギー変化の定量的な評価について説明する。さら に、電池の起電力とギブズの自由エネルギー変化との関係、ならびに電池を形成する電気化学反 応の平衡電極電位について紹介する。最後に、金属−水系の電極電位-pH 図とその作成、利用方 法について紹介する。 水溶液腐食の基礎 - 腐食反応の速度 多田英司(東京科学大学) 本講演では、水溶液腐食の基礎 -腐食過程の熱力学-の内容を元に、はじめに電気化学反応の 速度について定式化する。さらに、金属の酸化反応および環境の酸化剤の還元反応の釣り合いで 決定される腐食反応の速度について、混成電位説に基づき解説するとともに、腐食速度を低減する 方法についても議論する。また、腐食速度評価のための電気化学測定法について、いくつか紹介する。

 

金属材料の水素脆化と水素分析技術

春名 匠(関西大学)

21 世紀に入り、世界中で省資源・省エネルギー社会の構築が積極的に進められており、その中で 高強度金属材料の開発と実用化が活発に取り組まれています。ところが、高強度金属材料を湿潤 環境で使用すると、当該材料の腐食に伴って環境中に存在する水から生成される微量の水素が当 該材料に侵入して、脆性的に破壊する水素脆化が起こる場合があり、実用上の懸念問題となって います。また、燃料電池や水素社会用インフラなど、身近で水素ガスと金属材料が接触する場合が 増加しており、金属材料の水素脆化に対する抑制技術が切望されています。そこで本発表では、金 属材料の水素脆化の特徴を概観し、水素脆化研究に使用されている水素導入技術・定量分析技 術・位置分析技術について紹介します。

 

生体内環境での医療用金属材料の腐食

堤 祐介(物質・材料研究機構)

医療用金属材料においては機械的・物理的性質だけでなく、耐食性も特に重要な特性である。腐 食による材料劣化により、製品の耐久性や寿命を損なうだけでなく、溶出した金属イオンが細胞や 生体組織と反応して金属アレルギーなどの毒性反応を引き起こすためである。このため、医療用金 属材料に許容される腐食は極わずかであり、マグネシウム合金のように意図的に生体中で分解・ 消失するように設計された製品を除けば、特殊鋼や耐食合金、貴金属合金など、一般的には高耐 食性に位置づけられる材料が主に使用される。今回は、これらの医療用金属材料の腐食劣化に関 する生体内環境因子や、耐食性の評価法などを中心に解説する。

 

機械学習と数値解析による構造材料の腐食挙動の理解

片山 英樹(物質・材料研究機構)

実環境下における構造材料の腐食挙動は、多くの要因が複雑に関与するため、従来の測定手法や 解析技術だけでは十分な理解が困難であり、腐食リスクの正確な予測にも限界が生じる。近年で は、AI や計算シミュレーション技術の進展により、環境データや材料特性を活用して腐食挙動を解 析し、腐食を高精度に予測する新たなアプローチが提案されている。

本講演では、著者らがこれま でに取り組んできた、機械学習による環境データからの腐食リスク予測手法と、有限要素法 (FEM)を用いたガルバニック腐食挙動のシミュレーションに関する研究事例を紹介するとともに、 現状の課題についても解説する。

 

 

【2025 年度講習会実行委員会】

実行委員長:稲邑朋也(東京科学大) 梅澤 修(横浜国大)、大出真知子(NIMS)、木村正雄(高エネ機構)、小林由紀子(日本製鉄)、中 尾 航(横浜国大)、長谷川 寛(JFE)、藤田敏之(東芝)、船川義正(JFE)、御手洗容子(東大) 企画世話人:公益社団法人日本金属学会関東支部 支部長:木村好里(東京科学大)、幹事:林幸(東京科学大)

事務局:福島彩(東京科学大)

【受講申込】 参加費:会員 10、000 円(協賛学会会員も同額)、非会員 20、000 円、学生 3、000 円 (ヤングメタラジスト研究会で発表予定の学生は無料)

参加申込方法: 講習会に参加をご希望の方は 11 月 5 日(水)までに氏名、所属、E-mail などを下記リンクの登録 フォームからのお申込みください。 (ヤングメタラジスト研究会で発表予定の学生は無料ですが、参加登録は行なってください。)

参加登録フォーム https://forms.gle/bWeHb7tBfqMEqgoVA

<参加登録フォームへの入力後>、参加費のお支払いをお願いします。お支払いが確認できました ら、講習会のURLとパスワードをお送りいたします。 以下のフォームを使ってのクレジットカード支払いをお願いします。クレジットカード支払いが難しい 場合には、以下の振込先へ銀行振り込みお願いします。尚、請求書払いも可能です。

クレジットカード決済申込サイト https://peatix.com/event/4541519/view

銀行振込先:

㈱三菱 UFJ 銀行 仙台中央支店 普通預金 口座番号 1505249

口座名義 公益社団法人 日本金属学会 関東支部  シヤダンホウジン ニツポンキンゾクガツカイ カントウシブ

 

問合せ先:

〒152-8550 東京都目黒区大岡山 2-12-1 南 8 号館 312 号室

東京科学大学物質理工学院材料系林研究室内

日本金属学会関東支部事務局 福島宛

E-MAIL:fukushima.a.9769@m.isct.ac.jp

TEL/FAX:03-5734-3141

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