「バイオマス.誤解と希望」奥 彬 著:シリーズ“地球と人間の環境を考える”10巻、日本評論社(2005).

バイオマスや生分解性プラスチックに少しでも関心がある人や研究者技術者に読んでもらいたい本。
 バイオマスを環境資源問題や持続型社会の救世主のように思っていませんか? 研究者や産業やジャーナリストは、プラスチックの実がなりバイオマス燃料が搾れる植物があるかのように、この言葉を地球温暖化防止に結び付けてはいませんか? これまで有機資源には石油がおもに使われてきましたが、決して正しく使われてきたとはいえず、大量生産と廃棄のなかに利益と安易さを求めたので環境問題が生じています。 この癖はバイオマスで改まったのでしょうか? かえって再生可能資源やグリーン、カーボンニュートラルなどの言葉を用いて、バイオマス材料は大量に作っても安易に廃棄しても地球にやさしそうだと誤解させていませんか? 資源の差を問わず産業品の製造にはエネルギーと有限な金属資源等の消費が必ず伴うことを忘れてはいませんか?植物は再生可能でも原料と産業品はちがうでしょう。 技術と経済と便益を至上とする考えがバイオマスの大切さを損ねないように、これを研究し技術開発する人の理念と倫理とは何かを本書は考えさせてくれるでしょう。

〔文責〕奥 彬  (財)生産開発科学研究所

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