「バイオマス資源・オイルパーム」

パーム油産出に関わるバイオマス資源の実態に迫ります
 オイルパームをご存知でしょうか?これはパーム油を産出するヤシ科の植物で,日本では洗剤の原料として有名ですが,世界的には食用として広く供されています。 その栽培はマレーシアやインドネシアなど熱帯諸国において大々的なプランテーションにより行なわれており,世界合計の生産量は年間3,300万トン,植物油脂全体のおよそ30%を占めています。 このようにオイルパームは食用油の供給や産出国の経済を支える大変有用な植物ですが,その一方で,油を搾る際に発生する木質の果房,幹,茎などは貴重な木質バイオマス資源にも拘らず,ほとんどが未利用のまま焼却または廃棄されているのが現状です。 その量,年間で推定1億トン以上に達します(乾燥重量)。何という資源の損失でしょう! 私たちは,こうした未利用資源を『エコマテリアル』として有効に利用するための技術開発研究を,マレーシアなどパーム油産出国の研究機関や大学と共同で日夜進めています。

〔文責〕田中良平  (独)森林総合研究所 成分利用研究領域セルロース利用研究室

〔参考文献〕
森と木の先端技術情報(APAST),15, pp52~55 (2005)
Japan Agricultural Research Quarterly (JARQ), 38, pp275~279 (2004)
熱帯林業,55, pp44~51 (2002)

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