「微生物ポリエステルの高強度化」

これまで微生物ポリエステルの欠点であった硬くて脆いという問題を解決する技術が開発されました
 微生物によって糖や植物油などから生合成されるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、環境中で微生物によって完全に分解される環境にやさしい材料の一つとして注目されています。 代表的なPHAであるポリ[(R)-3-ヒドロキシブタン酸]は他の熱可塑性ポリマーと同じように成型加工が可能ですが、硬くて脆いという物性のために、これまで単独での実用化は困難とされてきました。 しかし最近、溶融押出ししたP(3HB)を、冷延伸法、二段階延伸法および微結晶核延伸法で処理することで超高強度繊維を作製する技術が開発されました。 この技術によって、分子量500~2000万の超高分子量P(3HB)から破壊強度1.3GPa、破壊伸び35%、ヤング率18.1GPaの繊維が作製され、野生株産P(3HB)からも破壊強度650MPaの高強度繊維の作製に成功しています。 さらに、この技術は高強度フィルムの作製に応用されるとともに、様々な共重合体にも適用できることが明らかとなってきました。
〔文責〕山下宏一  理化学研究所 中央研究所 化学分析チーム

〔参考文献〕
特願2004-29044.
Macromol. Sym., 224, 11 (2005).
Macromol. Biosci., 5, 840 (2005).
Macromol. Rapid. Commun., 25, 1100 (2004).
Polym. Degrad. Stab., 79, 209-216 (2003).
Polym. Degrad. Stab., 79, 217-224 (2003)

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